イカリソウが咲いています2019/04/30

メギ科のイカリソウが独特な形の花を咲かせました。名前の由来は花の形が船の碇に似ているので碇草と付いています。

イカリソウはひとつの花に雄しべと雌しべのある両性花ですが、同じ花の花粉では種子を作ることが出来ません。でもイカリソウには繁殖の戦略があります。花の後ろ側に花弁の一部が変化した距が4本出ていて、この距の先端に密をため昆虫たちがかなり首を突っ込まないと密を吸えないようになっています。昆虫が無理して密を吸っている間に昆虫に花粉がくっ付いて、密を吸い終わりしっかり花粉を付けた昆虫はまた他の花に移る。このようにして受粉が完了した花は種を作ります。またこの種は蟻の好む物質を持っていて、種が地面に落ちるといそいそと蟻がやってきて巣に持ち込み、その巣で芽生える。本当にすごい戦略です。

受粉のお手伝いは出来ないけれど、距をちぎって密を吸ってみると本当に甘い。こんな仕組みを知らない子供の頃、よく吸ったものです。